モラル・ハラスメント(以下モラハラ)は、今や社会現象にもなっているぐらい深刻な問題になっています。

モラハラは、家庭、職場、学校などいろいろな場面、家族、夫婦、恋人、上司部下など関係性で違いはあるかと思いますが、モラハラを見分けるポイントとしては、相手の人が

・自己中心的
・ケチ(以前はそうではなかった)
・上から目線
・突然無視する
・外面がとにかくいい

などがあります。

もし、付き合ってる人がいるならば、その人の家に行き、家族に対する態度をチェックするのも良いかも知れません。
家族に対して、偉そうな態度かどうか、家族が何でも言うことをきいているような気がするなど感じたら、モラハラの可能性が高いと思われます。

――NHKドラマ『ガラスの家』から三船美香さん虎舞竜の騒動で有名にも

2013年9月からNHKで毎週火曜日に、井川遥主演の『ガラスの家』というドラマが放送されていました。 2010年に放送され大ヒット作となり、映画化もされた鈴木京香主演の『セカンドバージン』と同枠での放映です。

しかも脚本も同じ大石静氏ということで、御覧になっていた方も多いのではないでしょうか。

「モラルハラスメント」は、通称「モラハラ」と呼ばれる「ハラスメント」の1つです。

しかし、まだまだ日本での社会的認知度は、「セクハラ」・「パワハラ」・「アカハラ」などに比べて低いですし、行政による救済窓口や法的な整備が遅れていることがそれを象徴していると言えます。

そもそも、「モラル・ハラスメント」とは、フランスの精神科医であるマリー=フランス・イルゴイエンヌに1998年に提唱された概念であり(マリー=フランス・イルゴイエンヌ『モラル・ハラスメント――人を傷つけられずにはいられない』紀伊国屋書店、1999年)、比較的新しいものだと言えるでしょう。

また、「パワハラ」など他と重なる部分もありますので、「モラハラ」自体の線引きや定義も少し難しい所があるのも、その原因の一つかもしれません。

「モラハラ」に類する体験や近い体験を実際に経験されたことのある方は、『ガラスの家』の井川遥(黎)に対する夫の藤本隆宏(澁澤一成)の夫からの言動を見ていて、「あっ……これは、モラハラだ」とお感じになったり、そういうご感想をお持ちになった方もいらっしゃることと思います。

少なくとも、長年「モラハラ」を受け続けてきた私には、このドラマのテーマは「モラハラ」にしか見えませんでした。










気になる人はドラマを見てみて下さい

表面的には、父親(一成)の年の離れた後妻である黎を長男の斎藤工演じる仁志が寝取る……、という一見センセーショナルな不倫モノに見え、これ自体は世界的に有名な日本の最古の恋愛小説といわれる『源氏物語』にも見られるような使い古さ設定だと言えるかもしれません。

そして、年上の女性と年下の男性の不倫という許されない恋愛という点においては、『セカンドバージン』と共通するものの、一成と黎の夫婦関係に焦点を当てて見ていると、それには収まりきらない内容をはらんでいる作品であることがよく分かります。

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タイトルが、『ガラスの家』とあるように、黎という存在が澁澤家に入ることを契機として、家族が崩壊していくように表面的には見えるものの、

黎のしなやかさと仁志の真っ直ぐな正義感と父に対する自立心の芽生えによって、父親・一成の今まで隠蔽されてきた〈自己愛の変質性〉が、暴露・露見されていく物語だといえるのではないでしょうか。

父親・一成という存在そのものが持っている〈自己愛的の変質者〉の“脆弱さ”こそが、実は“ガラス” ということばに象徴されているのかもしれません。

そう、『ガラスの家』が見事に描き切ったように、

「モラル・ハラスメント」とは、〈自己愛的変質者〉によって特定のターゲットに対して、日常的に行われる目には見えない「精神的暴力」・「精神的虐待」の事を言うのです。

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